こんにちは、ユアサ矯正歯科です。
矯正治療を始めるときに欠かせないのが、歯の表面に装置(ブラケット)を装着する「ボンディング」と呼ばれる工程です。通常、1つずつのブラケットを直接お口の中で装着していく「ダイレクトボンディング」が行われますが、最近では「インダイレクトボンディング(IDB)」という方法も増えています。
今回は、このインダイレクトボンディングについて、メリットや流れをわかりやすくご紹介します。
◆ インダイレクトボンディングとは?
インダイレクトボンディングとは、患者さんのお口の中で直接装置をつけるのではなく、あらかじめ模型上で正確にブラケットを配置してから、まとめて装着する方法です。
歯型を取り、その模型上で最適な位置にブラケットを配置し、専用のトレー(ガイド)に固定。このトレーを使って患者さんのお口に一度で装着することで、より精密で効率的なボンディングが可能になります。
◆ インダイレクトボンディングのメリット
・ ブラケットの位置精度が高い
装置の位置が少しずれるだけで、歯の動き方に大きな差が出ることもあります。IDBでは、模型上でじっくり確認・調整したうえで装着できるため、理想的なポジションに正確に配置できます。
・ お口の中での作業時間が短く済む
通常のボンディングでは1つずつ装置を装着するため、口を長時間開けていなければなりませんが、IDBならまとめて装着するため、治療時間の短縮にもつながります。
・快適でストレスが少ない
口を開けたままでいる時間が短いため、患者さんにとっても負担が少なく快適です。お子さんや治療が苦手な方にもおすすめの方法です。
◆ インダイレクトボンディングの流れ
1:精密な歯型の採取
まずは歯型を取り、患者さん専用の模型を作成します。

2:模型上でブラケットを配置
矯正医が理想的な位置に1つずつブラケットをセットします。

3:転写用トレーの作製
装置を正確にお口に移すためのトレーを作ります。

4:実際の装着(お口への転写)
トレーを使って、お口の中にまとめて装置を転写。接着後にトレーを外せば完了です。



◆ 最後に
矯正治療では、歯に装置(ブラケット)をどれだけ正確に取り付けられるかが、治療のスムーズさや仕上がりに大きく影響します。
インダイレクトボンディング(IDB)という方法では。最初から理想的な位置にブラケットを装着できるため、歯の動きが計画通りに進みやすくなり、結果的に治療期間の短縮が期待できます。
また、装置の位置ずれによる微調整や再接着のリスクが減ることで、無駄な通院や治療の遅れを防げるのも大きなメリットです。
矯正治療は長い期間をかけて行うものだからこそ、最初の装置の位置決めがとても重要になります。治療期間は患者さんそれぞれですが、IDBは“最初の一手”を正確に行うことで、トータルの治療効率を高めてくれる強力なサポート技術です。
当院でも、患者さんの状態やご希望に合わせて、最適な方法をご提案しております。気になる方は、お気軽にご相談ください。