院長コラム

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2. Ⅰ期治療とⅡ期治療

こんにちは。ユアサ矯正歯科、院長の湯浅です。

 

みなさん矯正治療においてⅠ期治療とⅡ期治療という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは簡単に言うと永久歯がすべて生え変わる前、混合歯列期におこなうのがⅠ期治療で、永久歯がすべて生え変わった永久歯列期に行うのがⅡ期治療と定義できます。そしてこれらを段階的に行うのが2段階治療です。

Ⅰ期治療=準備矯正 Ⅱ期治療=本格矯正 と言い換えることができるかもしれません。

何故このように分けて考えるのかということなのですが、それには理由があります。

それは治療の目的が異なるのです。

今回はこの2段階治療のⅠ期治療とⅡ期治療について説明していきたいと思います。

 

Ⅰ期治療の目的は、永久歯列が完成する前、あごの成長が見込める時期から口腔内の環境を整え、あごの骨や歯が生える部分である歯槽骨の不調和を改善することです。骨格、歯、歯槽、筋の問題に対し早期に治療を行い、永久歯の抜歯や外科矯正などの可能性を減少させるために行います。たとえば、骨格の問題で上あごと下あごの前後的な位置や大きさの不調和がある場合はその不調和を改善し、歯や歯槽の問題で奥歯の位置や前歯の位置が基準とする場所よりずれていることによって永久歯の生える場所がないというような問題も改善していきます。またお口の周囲の筋肉にアンバランスがある場合(舌の力、唇の力、頬の力のバランスがとれていないと適切な場所に歯が安定して並ぶことができません)はそれに対しても改善するようにトレーニングも行っていきます。Ⅰ期治療から行う場合、治療計画をたてるときには成長変化の可能性についても考慮する必要があります。上あごと下あごの成長のタイミングは時間差があり、特に下あごは思春期前後の成長期に発育量が増加しますので、短期間に最大の治療効果を得るために適切な治療時期を判断して治療を開始します。

Ⅱ期治療の目的は、主に歯ならび、かみ合わせの問題を解決することです。一般的にみなさんがイメージされる矯正治療はこちらになるのではないでしょうか。マルチブラケット装置などの歯を移動させるための装置を使用して、歯ならび、かみ合わせの問題に対しての治療を行っていきます。

Ⅰ期治療で骨格、歯・歯槽、筋の問題を改善しておいた場合だと、あとは細かな歯のねじれやでこぼこを修正するだけになりますから、それは比較的容易となります。

 

あごの成長が期待できない大人の矯正治療は、2段階治療の流れが適用となりませんのでⅡ期治療(本格矯正)からの開始となりますが、あごの成長が見込める子供の矯正治療は、Ⅰ期治療で土台を作って、Ⅱ期治療で仕上げる。もちろんⅠ期治療だけで終わる患者さんもいるのですが、基本的にはこのような2段階での治療計画が考えられていると御理解いただけたらと思います。