こんにちは、札幌豊平区の矯正歯科、ユアサ矯正歯科です。
ワイヤー矯正治療では、歯を少しずつ理想的な位置に動かしていきます。その力の「源」となるのがワイヤー。なかでもよく使われているのが「形状記憶合金ワイヤー」です。今回は、この形状記憶合金ワイヤーについてご紹介します。

■ 形状記憶合金とは?
形状記憶とは、一度記憶させた形に戻る性質を持った金属のことです。熱や時間によって元の形に戻ろうとする特性を持っています。矯正治療で使用される代表的なものが「ニッケルチタン合金(Ni-Ti)」です。
この合金は、ある一定の形に“記憶”されており、曲げられても徐々に元の形に戻ろうとする力を発揮します。この「やさしくて持続的な力」が、歯をスムーズに動かしていくのに最適なのです。また、合金組成の違いによっては冷たい状態では柔らかく変形しやすく、体温に触れると徐々に元の形に戻ろうとする特性も働きます。この特性が、歯を少しずつ、やさしく、しかし確実に動かす力になります。
■ 主な特性(メリット)
◎ 弱く持続的な力をかけられる
歯にやさしい力で、長時間にわたって持続的に働くため、痛みを軽減できます。
◎ 柔軟性が高い
入り組んだ歯並びにもフィットし、スムーズに歯列を整えられます。
◎ 温度感応性(熱によって変化)
体温で活性化し、最適な力で歯を動かすワイヤーもあります。
■ どんな場面で使われるの?
形状記憶合金ワイヤーは、矯正治療の「初期段階」で使われることが多いです。歯が大きくガタガタに並んでいる場合でも、柔軟に対応しながら、歯並びを整える準備をしてくれます。
■ 形状記憶合金ワイヤーの種類
1. 超弾性ワイヤー(Superelastic Ni-Ti)
・常温でも元の形に戻る力を発揮する
・非常に柔軟で折れにくい
・治療初期の歯列の乱れにも対応しやすい
2. 熱感応性ワイヤー(Heat-activated Ni-Ti)
・冷たい状態では柔らかく、体温で硬くなる
・装着時の不快感が少なく、徐々に力が加わる
・温度管理で力のコントロールがしやすい
3. マルチフォースワイヤー(Multi-force Ni-Ti)
・前歯と奥歯で異なる力を出すワイヤー
・力の強さが部位ごとに変わるため、より自然な移動が可能
■ まとめ
形状記憶合金ワイヤーは、矯正治療をより「やさしく」「効率的」に進めるための、頼れるパートナーです。
患者さまの歯並びや治療の進行状況により、使用するワイヤーは異なります。
ユアサ矯正歯科では、お一人おひとりに合った素材や種類を選び、最適な治療を心がけています。「痛みが心配」など、ご質問や不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
📞011-855-4182
📍相談予約 https://ssl.haisha-yoyaku.jp/x0836927/login/serviceAppoint/index?SITE_CODE=hp
監修者:湯浅 壽大
歯科医師・歯学博士(D.D.S., Ph.D.)
日本矯正歯科学会認定医|北海道矯正歯科学会・日本舌側矯正歯科学会 会員
2002年に北海道医療大学歯学部を卒業後、同大学大学院歯学研究科で専門性を深める。
2013年に開業して以来、矯正治療を中心に、噛み合わせや見た目の調和を重視した歯科治療を提供。
学会や勉強会に積極的に参加し、最新の矯正技術を取り入れて治療にあたっています。
詳しいプロフィールはこちらhttps://yuasa-orthodontics.com/about