院長コラム

Close

3. 矯正治療の開始時期

矯正相談やお電話などで問い合わせがある内容として、矯正治療の開始の時期について、があります。今回は、矯正治療の開始時期について少し詳しく説明したいと思います。

 

1:大人の場合

まず大人の矯正治療に関しましては、何歳であっても治療開始は可能です。ただ歯周組織が健康であるという条件があります。矯正治療ではあごの骨の中で歯を動かしていくわけですが、歯を支える骨や組織が健康でないと、歯が移動しないもしくは移動が遅いといったことがあったりします。また、骨のないところへは歯は移動できません。そのため重度の歯周病で歯を支える骨が減少している場合、矯正治療は困難になります。歯を失う最大の原因となる重度の歯周病でなければ、何歳になっても矯正治療が可能ということなのです。そして矯正治療で歯ならびを整えることによって、お口の中の自浄作用が高まり、行き届いたブラッシングができるようになりますので歯周病になるリスクを下げることにつながります。

 

2:子供の場合

次に子供の治療開始の時期ですが、こちらのほうが親御さんからの質問で多いかもしれません。これは治療する不正咬合の症状によって異なってきます。

 

①:でこぼこ

あごの位置などに問題はないが、生えてきた歯がでこぼこになってきたといった場合、これは歯のサイズと歯が並ぶために必要なアーチ(歯列弓)の大きさに不調和があるためと考えられます。こういった場合は平均して小学校2年生から3年生ぐらいから開始することが多いです。この時期は上下の前歯4本が生え揃ってくる時期で、これらがスムーズに生えるスペースに不足がありますので、そのスペースを作っていくような治療が必要となります。

 

 

 

②:反対咬合(うけ口)

反対咬合の治療開始時期は少し早く、乳歯の前歯が抜けて上の前歯が生え始めたくらい、だいたい小学1年生前後からが、矯正装置の治療効果が大きく発揮されます。ただ最近では乳歯の時期にも適用して口腔内の環境を整えて反対咬合を先に治療するような装置もありますので、5~6才ころからそちらの使用を開始して、成長と生え変わりを見ながら途中から矯正治療へ本格的に移行していくという方法をとることもあります。

 

 

 

③:出っ歯

出っ歯傾向がある場合は、その原因がどこにあるかによって開始時期が異なります。歯の生え方などあごの中だけに問題の原因がある場合では、6~8才ごろから治療を開始します。でこぼこの問題を解決する場合と同じような治療が適用となります。骨格の前後的位置関係の異常が原因とされる場合、上あごと下あごの位置の改善に関して小学校中~高学年くらいからの治療となります。

 

 

 

 

子供の矯正治療の開始時期に関しては、不正咬合で代表的なもの3つで説明しましたが、これら以外の不正咬合も存在しますし、さまざまな症状が組み合わさっている場合もたくさんあり、治療開始時期も多様ですので、あくまで参考程度と考えていただけたらと思います。

 

今回は矯正治療の開始時期について説明してきました。

 

ただこれらはあくまで一般的なお話で、患者さんそれぞれで不正咬合の症状が異なります。自分やお子さんの症状と年齢がここに当てはまらないからといって矯正治療のタイミングを逃してしまったと思われる方もいるかもしれませんが、矯正治療をおこなうことができないということではありません。

 

矯正相談では、実際に患者さんと対話し、口腔内を拝見させていただきますので、治療開始時期についても詳しくお話しできると思います。

もし、歯ならび、かみ合わせで気になることがあるなら、お気軽にご相談ください。